日本人は愛情をどう伝えるべきか

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英語で「アイ・ラブ・ユー」、ドイツ語で「イヒ・リーベ・ディヒ」、中国語で「ウォー・アイ・ニー」、モンゴル語だと「ビー・チャムド・ハイルタイ」。

外国語を少しでもかじると、人は♂♀を問わずこれを知りたがるようだ。どこの国にも、この表現はあるに違いない。

もう記憶力がアレなので典拠を示せないし、正確な内容をお伝えすることもできないのは残念だが、昔、夏目漱石=写真=が松山の中学だか熊本の高校だかで生意気ざかりの生徒から質問を受けたそうだ。「先生、アイ・ラブ・ユーの日本語訳は?」

漱石先生は一瞬、口ひげをひねったが「そんな表現は、日本語にはない!」と答えた。「じゃ何と訳せばいいんですか?」と生徒。先生いわく「今夜は月がきれいだね、とでも訳しておきなさい」。さすがは漱石だと感心した。

ワシは余計なことを想像する癖があるので、このエピソードを聞きかじった寅さん(車寅次郎)がどんな行動に出るかを想像してみる。憧れのマドンナと並んで夜道を歩くチャンスに恵まれた寅が、意を決して「見てごらん、今夜は月が・・・アレッ?」

この晩は新月で、月は出ていなかった(あるいは満月なのだが突然、雲に隠れてしまった)。似たような経験は、あなたにもあるでしょう。なに、ない? いや、ある。胸に手を当ててよく考えてみなさい。ぜ~ったい、ある! (何をムキになってるんだ)