「CMには出ない」という一流の有名人はいないものか?
アメリカでは、CMに出たがらない有名人が多いらしい。その商品や企業に大きな問題が生じた場合に、CM出演者までが訴えられて多額の金を請求されるからだという。
日本の訴訟社会はまだそこまで行ってないので、声が掛かればホイホイと喜んで引き受けるのが普通のようだ。芸能人にせよスポーツ選手にせよ「人気商売」だから、テレビで頻繁に顔が映るのを嫌がってはいられないだろう。それは分かる。
しかし、仕事上も私生活でも別に何の思い入れもなく、これという知識もない商品について「これが最高!」と言い切ることに後ろめたさは全く感じないものだろうか?
「御社の製品が好きで好きでたまりません。ノーギャラでいいからPRさせてほしい」と言って、出演交渉をした人がいたら会ってみたい(会いたくない気もする)。
古くは三船敏郎から高倉健、吉永小百合。比較的最近では北野武、桑田佳祐、大リーグのイチロー=写真=ね。(もっと新しいと、ワシにとって「有名」ではなくなる)
「資産はもう自分でも分からないし(税金が大変だけど)これ以上、有名になったり収入が増えたりしても困るだけなんです」という人も少なくないとお見受けするのだが、長期入院中でもない限りCM出演を峻拒したという人の話は聞かない。
「お茶漬けのCMに出ろって? スタジオで半日かけて撮影するわけにはいきません。そんな時間があったら土俵で稽古しなきゃ」と断るのがプロであって、タイトルはそこんところを問うている。
大相撲秋場所で大関からの陥落が決まった照ノ富士を責めているわけではないよ(怪我というのは仕方がない)。そこそこ有名になってもCMには絶対、出ないというストイックな偏屈者がなぜ現れないのか? ということを今宵は問題にしたんじゃよ。