治五郎親方の大相撲秋場所〝総評〟

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横綱大関の休場という99年ぶりの異常事態で「どうなることか」と、ワシゃ八角クン(現・日本相撲協会理事長)と共に心配しとったんじゃよ。

しかし終わってみれば、「一人横綱」の重圧に耐えた日馬富士が逆転優勝を遂げた。序盤で3連敗した時は「いよいよ負け越して引退か」と思ったが、さすがだ。「安馬」の時代から彼の「面魂」は気に入っていたので、ご同慶の至りである。

大相撲の「星取」というのは実によくしたもので、負け越しが多くて勝ち越しが少ない(あるいは、その逆)などという事態は決して起きない。数学というより算数の能力がゼロなので、どういう仕組みになっているかをうまく説明できないのは残念だ。

ところが今場所は、勝ち越した力士の方が多いという印象がある。きっと休場力士の白星が転がり込んだからだろう(んなわけないか)。

阿武咲(おうのしょう)、貴景勝(たかけいしょう)ら20歳そこそこの若武者が活躍した結果、そんな印象を受けるのかもしれない。この二人が横綱になったら「咲勝(しょうしょう)時代」を築くのだろうか。(少々、気が早いね)

ちゃんとした総評は八角クンに任せよう。

今場所では、相撲協会のHPで序の口(日によっては前相撲)からの全取組をナマで、しかもタダで見られた=写真=。これがねえ、実に面白いんだ。大半は16歳とか18歳のモヤシみたいな体だ(あの横綱白鵬も、かつてはそうだった)。

相撲界は力士以外、行司も呼出も年功序列社会だから皆、若くて不慣れ。珍場面が頻出する。勝った少年がフラフラと起き上がったら、相手を間違えて行司に礼をした。行司だって困惑するわけで「アンタ、そっちに立たなきゃ」と軍配で指示する。

普通は朝の8時半から中継が始まるから見る方も楽ではないが、本場所の開催中はまた一つ、楽しみが増えてしまった。