下赤塚有情

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久々に、板橋区赤塚2丁目に夫婦で足を運んだ。

ここに治五郎が住んだのは、2011年3月すなわち例の震災の直前から定年退職までの約2年間。それまで独居していた第二次「谷中庵」を追い出され(2階の大家が「たばこの臭いが上まで来て困るから」と契約更新を拒否)、今の妻のアパートに転がり込んだわけですね。この種の近隣トラブルは、ワシの宿命なのかもしれん。

とても世話になった「鳥茂」は、飲み屋ではなく鶏肉やウナギを店頭販売している。経営者は、ワシより少し年上のマサオさんとキミコさんの夫婦。マサオさんは、ウナギを上手にさばくくせにウナギの味は苦手らしい(紺屋の白袴というやつだね)。

息子の嫁さんが肉とネギを串に差す作業をしている傍らで、ワンカップ系の焼酎とビールをいただき(もちろん大好物のレバーや、マサオさんの苦手なウナギも)、外はまだ明るいが結構、いい気分になってきた。

なんちゅうか、この、アレだな(そこそこ酔ってきたかも)、こういう人たちというのは、かつてワシが毎日のように取材で会ってきたエライ人々(政治家や文化人とも限らない)とは全く違う味わいを感じさせる。山本周五郎原作、橋田寿賀子脚本の素晴らしい庶民ドラマが生まれていた可能性だってあるのだ!(勝手に悔しがってる)

近くの「のとや」=写真=に寄る。三越高島屋とは無縁な人たちの間では有名な衣料品店だ。破格の安い値段には何かしらの秘密があるのだが、品質に問題があるわけではない。寒い季節に備えて、店頭に出ていたチャンチャンコ(395円)を買った。(というか買ってもらった。なにせジゴローじゃけんのう。着心地? うん、悪くないよ)