いわゆる「圧力」と「展開」

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テレビの、いわゆる「情報番組」を見ていると、いわゆる「コメンテーター」たちが、いわゆる「国際情勢」について自由闊達に意見を交わしている。

あ~、この新聞記事はダメです。「いわゆる」が多すぎる。書いた記者がカッコ内の言葉に多少の引っ掛かりを感じている様子は、よく伝わってくる。しかし、いくらなんでも「いわゆる」が多すぎます。この原稿を通すようなデスクは、いません。

治五郎は新聞の元デスクだが、いわゆる国際情勢について、いわゆるコメントを寄せるような立場にはない。例によって「新解さん」と相談しながら、いわゆる時事用語の周辺をほじくり返してみようと思う。

【圧力】 ㊀ある物が他の物を押す力。 ㊁自由な精神活動や恣意的な行動を抑えつけようとする、強い力による働きかけ。

【圧力釜=写真左=】ふたをねじで締めて密閉した釜。沸点が百度以上になるので、堅い物でも早く、やわらかく煮える。高山での煮炊きにも適する。[最近では、「圧力鍋」とも呼ぶ]

はっはあ、アジア歴訪中のトランプ大統領が「北へ最大の圧力」と言っているのは、堅い物を早く、やわらかく煮るという意味なんだ。しかし北の釜(鍋)は百度以上の沸点に達すると、相当ヤバイぞ。何を始めるか分からん。

負けじとアメリカは、「ドナルド・レーガン」=写真右=などの空母3隻を朝鮮半島周辺に「展開」しているという。

【展開】㊀目を見はるような場面が示されること。 ㊁新たに出現した事態が、どのような成行きになるかを予測させないままに進行すること。 ㊂[密集した隊形が]間隔をとって広がること。

今回の「展開」は一応㊂の意味と解されるが、どのような成行きになるかを予測させないまま、目を見はるような場面が示されないとは限らない。空母の映像を見るにつけ、アメリカは実戦がしたくてウズウズしているのがよく分かるもんなあ。