「風が吹けば桶屋が儲かる」の論理

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[=意外なことが原因となって、めぐりめぐって好結果がもたらされることになる、ということのたとえ](新明解国語辞典

意味は知っているが、因果関係に納得がいかない(あるいは、知っていたが忘れちゃった)という人が多いのではないかと思う。次のような江戸時代の常識が必要だ。

①目の見えない人が生きていくには、三味線・琴や按摩を覚えるしかなかった。②三味線を作るのには猫の皮が必要だった。③猫は、ペットフードではなくネズミを捕って生きる動物だった。④ネズミは桶(木製)を齧るので人々を困らせていた。

風による土ぼこりが目に入って失明した人が三味線を買う → 猫が減ってネズミが増える → 桶が損傷するので新品の需要が増す。要約すれば、これだけの論理である。

あほくさ! と現代人は感じる。論理の組み立て方が少し強引だという印象があるし、木の桶=写真=というものを滅多に見かけなくなったことも背景にはある。(それはないだろう。確かに、あれほど我が家のユニットバスに似合わない物はないが)

しかし、意外なことが原因となって好結果がもたらされる例はどこにでも無数にありそうだ。例えば「チーズピザを食べる人が増えると凶悪犯罪が減る」とか。(その因果関係を導き出すほど、治五郎も暇ではない。誰か考えておいて下さい)

歴史学に「たら・れば」は禁物とされるが、ワシの経験からすると、実社会はタラとレバに満ちている。「もしもあの時、飲み会でAさんを紹介されていなかったら」「もしBさんが隣の車両に乗っていて互いに気づいていなければ」・・・。

 

話は少し飛ぶが、ワシの想像上の料理に「たらレバ鍋」というのがある。一見ミスマッチのように思えるが鱈とレバー(できれば鳥)は案外、合うのではないか。白菜とニラとモヤシでもあれば、苦しゅうない(長ネギとシイタケも、あった方がいい。彩りを考えて薄切りのニンジンも)。味付けは、やはりピリ辛がいいかな?(ユズも少々)