「か、け」「く」という会話

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青森県津軽地方の特異な方言を、分かりやすく(からかい気味に)表現した有名な言葉に「どさ」「ゆさ」がある。

「どこへ、お出かけですか?」「いやなに、ちょっとそこの銭湯=写真=まで」という会話が、ドサユサで通じるという点が都人には珍奇な印象を与えるのだろう。(津軽地方は寒いから、なるべく口を開かないのだという俗説には納得できない)

しかし、この程度で驚いていてはいけない。「か、け」「く」という会話がある。

「か、け」は「さあ、召し上がれ」であり「く」は「では、いただきます」だ。「か、き、く、け、こ」となれば、さすがに治五郎も通訳しかねる。

「け」や「く」は「食う」の読みに由来するというか、ガラパゴス諸島の動物のように独自の進化(退化?)を遂げた語尾の活用&省略の結果だというのが、ワシの推察だ。

「神奈川県ね」という言葉も、分解すると津軽弁の会話として成立しうる。すなわち「かなが(食べたらどうだ)」+「わ(私は)けんね(食べられない)」。

日本国には想像を絶する方言の世界が存在するのである。