旨いのに、なぜか食指が動かない料理

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沖縄のイラブー(海蛇)が少し苦手といえば苦手だが、普通のスーパーで売っている食品で苦手なものは一つもない、ということは前にも書いた。これは胸を張って(張らなくてもいいが)断言できる。むしろ「すべてが好物」というのが実情だ。

ところが中には、タイトルに掲げたような食べ物が存在する。思いつくままに列挙してみようか。ピザ=写真左=、肉まん、タコ焼き、お好み焼き、ホットケーキ、チジミ、肉団子=写真右=。どれも、たまたま食べれば毎回「うまい!」と感じるのだが、なぜか積極的に食べたいと思うことがない。これらの食品の共通点は何だろう? と考え続けること20~30年。ある日、忽然として悟った。

「味」ではなく「形状」に原因があったのだ。どういうわけか、治五郎は〝広がり系〟と〝丸まり系〟に、何か抵抗を覚えるらしい。おそらく心因性の障害だろう。

さらに深く考究するなら、治五郎が(甘いものにしては珍しく)熱愛するシュークリームね。あれは丸まり系だが、いつでも食指が動く。丸きゃダメ、ではないのだ。

とはいえ、あれが松井秀喜や〝元〟日馬富士の顔みたいな凹凸でなく、剛力彩芽ちゃんのようにツルンとした肌をしていたら、ワシはシュー皮の表面に歯を立てることが出来ないような気がする。凹凸ありゃこそ、シュークリームに平気でかぶりつけるのだ。

「食」の奥深さというのは、かような諸事情をも内包しているのではないだろうか。