スポーツ界とヒエラルキー

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その昔、「カメラのドイ」のCMにこんなのがあった。ジャイアンツの内野手土井正三=写真左の背番号6=が「ドイはカメラの王です!」と言おうとするのだが、王といえば王貞治=同背番号1=なので、後輩の土井としては呼び捨てに出来ない。なにしろ相手は「世界のホームラン王」である。

それで「ドイはカメラの王…さんです」と、どうしても敬称をつけてしまう。ほほえましいような情けないような、不思議な味わいのあるCMだった。

 

ヒエラルキー】〔ヨーロッパ中世封建社会などの〕ピラミッド型の階級組織。ヒエラルヒー

理事長を頂点とする日本相撲協会ヒエラルキーは、プロ野球など他のスポーツとは比べ物にならない。しかも、同じ親方衆=写真右=と言っても現役時代の実力・成績は、さまざま。1度でも優勝経験がある人は少なく、三役まで行ったならまだしも平幕の下位で終わった人もいる。元「大横綱」とでは「格」が違いすぎるのだ。

日馬富士事件は、発覚から数十日で角界再編の様相を呈してきた。中心にいるのは元大横綱貴乃花部屋の〝プッツン親方〟だ。何か信念を持って改革に取り組もうとしているらしく、最近は全く口を開かないから真意は分からないけれども、支持したり追随したりする親方が予想以上に多いらしい。今週の動きから目が離せない。

なんだか保守政党の派閥抗争みたいでもあるし、反社会的勢力の跡目争いを連想させられるようでもある。

もともと「行く末は理事長になろう」と思って入門する力士はいない。相撲だけが好きで「勉強や会議は苦手」な子供たちだったのだ。それが、眉間にシワを寄せて協会運営に従事させられることになろうとは誰が想像しただろう。

組織に向かない人間が組織を率いなければならない。親方衆の苦しい胸の内、お察し申し上げます。