できる挨拶、できない挨拶

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おかしなもので、治五郎には昔から挨拶というもの=写真=の内容に得手・不得手がある。難易度別にA・B・Cと分類してみよう。

A「いただきます」「ごちそうさま」・・・これはワシでも朝飯前だ(朝飯は長年、滅多に食わない習慣だが)。

B「初めまして。よろしくお願いします」「お久しぶりです。お元気ですか?」・・・この辺になると、やや抵抗がある。人に会う仕事だったから毎日、口にしていた言葉だし、むろん言えないことはないのだが、常に少し無理をしている自分がいる。

C「良いお年を!」「明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします」・・・これを言うのが苦痛でならない。現役時代の年末年始には、なんとかして言わずに済ませられないかと苦慮したものだ。因ってきたるところのものは何か?

最近の考えでは、この挨拶が「風物詩」の一翼を担っているからではないか。誰もが言わざるを得ない〝時節もの〟であるところが、ワシは苦手なんだと思う。

高浜虚子に「去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの」という有名な句があるが、いろ~んな解釈があることをネットで教えられた。1月1日の午前0時を境に区切られる去年と今年の間に、いったい何があるのか? てなことを考えさせてくれる。

難易度Dの挨拶もある。「このたびは、ご愁傷さまです」

本当に悲しんでいる人の前で、面と向かって言えるような言葉ではないと思う。