晴れと褻(け)

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「あのね、似合ってませんよ」と口に出して言うほど、治五郎は人が悪くない。一生に一度の成人式=写真=に、親御さんが無理な出費をするのは分かる。

その慣習によって儲けてきた「はれのひ」とかいう会社が、夜逃げをしたんだかなんだか、世間を騒がせている。ワシの場合、成人式なんちゅう「晴れの場」には行かなかった。(行った記憶がないのではなく、行かなかった記憶があるのだ)

20歳の頃から「晴れ」より「褻」が好きだったんだろう。

【褻】「ふだん」の意。改まった場合でないこと。「褻にも晴れにもただ一つ〔=ふだん用も改まった場合用もなく、それしか持ち合わせていないこと〕

(おい新解、おぬし、まるでワシの部屋の小さなクロゼットを隅から隅まで見たような口を利くじゃねえか。ま、おっしゃる通りではありますけどね)