クイズはボケ防止に役立つか

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結論から申します。役には立ちません。

電車に乗ると、スマホやゲーム機ではなく、クロスワードパズル専門の雑誌に熱中している人を見かけることがある。推定50歳以上の人が多いようだ。ボールペンを片手に、必死で問題を解く姿には何か鬼気迫るものが感じられて、楽しんでいるというより「修行」や「治療」という言葉を思い出させる。

テレビではクイズ番組が全盛期を迎えているらしく毎日、どこかの局でやっている。往年の「クイズ高校選手権」みたいに高レベルなものではなく、「高校までマジメに勉強して、その後も世の中のこと全体には人並みの関心を持っている」程度の視聴者を対象にしている。漫画家・やくみつる=写真左=や女優の宮崎美子=写真右(何十年か前)=らが常連だが、最近は若い芸人なども活躍している。

治五郎も、見たいわけじゃなくても見る機会が増えた。20年前だったら、やくさんには及ばなくても宮崎さんに近い成績を収められたような気がするのだが、還暦を過ぎると大きな変化が生じる。

まず「早押し」問題ね。正解は知ってるんだよ。知ってるんだが、心身の反応が鈍っているから正解者がボタンを押す前に答えられるわけがない。早押しは無理です。

次に「アレ」問題がある。「この写真の人物は?」と聞かれて、それが西郷隆盛なら大丈夫なんだが、大久保利通高杉晋作になると「アレだ、ほらアレだよ」の世界が待っている。2択(二者択一)や4択にしてくれると高齢者は優勢に立てるんだが。

クイズ番組のお陰で、むかし覚えたことを思い出したり新しい知識を得たりすることは多い。しかしボケというものの本質は、そんなに生易しいものではない。

試しに一度、2~3か月前の放送を見てみたい。正解を知っているはずなのに、その正解に達することはできないだろう。記憶力よりも忘却力の方が進行は確実に早い、という真実に人間は50過ぎたらそろそろ向き合わにゃいかんぜよ。(坂本龍馬の有名な言葉=ウソだよ)