熊野古道とオオカミの関係? 知らんな

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 熊野にも昔はニホンオオカミが棲息していたのは知っているが、明治時代に絶滅したはずだが・・・あっ、思い出した。昨夜、「続きは明日」と予告した件だ。

 初めてモンゴルへ行った翌1992年の夏、夕刊「旅」の取材で熊野三山和歌山県)へ行った。当時はまだ体力があったから(今は絶対ムリ)、熊野古道=写真左=の一部・中辺路(なかへち)に挑戦する。

初日は雨の中を14キロ歩いてヘトヘトになったが、世界遺産など縁のなかった当時の熊野は人跡まれ。途中、一人の人間にも会わなかった。ようやく人里に出て一泊し翌朝、行き倒れになりそうな姿で歩き出す。やはり人間を見かけない。

すると、向こうから若い女が、両肩に重そうなカメラをぶら下げて現れた。眼光が鋭くて、どこかオオカミ=写真右=のような印象を受けた。「コンチワ~」と言ってすれ違うようなシチュエーションではない。

それが、チサトさん(当時28歳)との出会いだった。アラスカでオオカミの写真を撮ることに命を懸けていて、資金を稼ぐために奈良県の実家で裁縫をしたり、四輪駆動車で秘境を巡るアルバイトをしたりしているのだという。

オオカミならモンゴルで何度か見ているので、話が合う。その晩は、宿に招いて痛飲した。(【痛飲】いやというほど酒を飲むこと。)

その後、何年かは年賀状をやり取りしていたが、そのうち「とうとうエスキモーと結婚しちゃいました~」という便りがあった。赤ちゃんの写真もある。ちょうど21世紀を迎えて、新年企画で「海外で活躍する日本人」を取り上げることになった。会社の経費を使って「取材」という名の表敬訪問をするには絶好の機会である。

熊野とオオカミとアラスカが、これで何とか繋がりましたね。