子供の命名は人気者に「あやかる」べからず

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昔、田中角栄=写真中央=が「庶民宰相」と呼ばれて人気絶頂だった頃、生まれた息子に「角栄」と名付けた親がいた。のちに〝本尊〟がロッキード事件で逮捕・起訴され有罪判決が確定すると、その少年はイジメなど甚大な被害を受け続けたらしい。

角さん、角さんと持ち上げたマスコミにも責任の一半はあると思うが、時代の寵児にあやかった命名でご利益を得ようとする、あまり賢明とは言えない親心に、一番大きな問題があるだろう。

なぜ今頃こんな話を持ち出すかと言うに、治五郎は30歳の冬、被告人となった元首相に数か月、朝から晩まで付きまとえという〝社命〟を受けて張り付いた時期がある。角栄の「バンキシャ!」である。

 彼の車をハイヤーで追い回していると、頭に来た早坂茂三秘書=写真 右の人物=が下りてきて「どこの社だ! 名刺をよこせ」と気色ばんだこともあった。

 いや、そんなことはどうでもいい。命名の話だ。

今月は、全国各地の産院で生まれた赤ちゃんに「結弦」や「奈緒」と名付ける親が少なくないのではないか。と、ワシは心配しとるんじゃよ。羽生クンや小平サンが将来、被告人になるようなことはよもやないだろうが、命名は慎重にね。(周りを見回して、これから子供が生まれそうな知り合いは一人も見当たらないが)