秘匿する相手から年齢を聞き出す方法

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今でこそ新聞も年齢にこだわらなくなったが、昔は氏名と住所・年齢がワンセットで必須事項とされた。載せる載せないは別として、取材した相手の年も聞き出せないようではデスクの大目玉を食らったものだ。

ところが有名人・一般人を問わず、自分の年齢を明かさない人(主に女性)がいる。下手に深追いすると取材拒否に遭ったりする。10代、20代と70代以上は問題ないが、その中間を占める幅広い層が厄介だ(ほとんど女性)。

たとえば治五郎記者が35歳だった1988年の夏、そんな女性(どちらかというと有名人)に取材することになった。30代には間違いないだろうが、自分より年上なのか年下なのか判断に迷う。

そこで、さりげなく1964年の東京オリンピック=写真=を話題にする。ヘーシンク(柔道)やチャスラフスカ(女子体操)やアベベ(マラソン)の話である。

「何か当時の思い出は?」「小学校6年でした。教室にカラーテレビが入って、東洋の魔女の試合を『社会勉強だぞ』と言って先生が見せてくれました」

はい、判明しました。この人はワシと同学年で35歳か36歳です。(事前に「星座」の話でもして相手が乙女座なら乙女座と答えていれば、36歳であることが確定する)

・・・思えば、ワシも姑息な手段を用いて生きて参りました。(日本の少年少女にとって、オリンピックの記憶はそれだけ鮮烈なんだという証でもある)