いよいよ明日で満65歳か

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押しも押されもしない年寄り。どこに出しても恥ずかしくない高齢者。れっきとしたジジイ。誰の目にも明らかな老いぼれ。

 サウイフモノニ ワタシハナリタイ

と、治五郎は早い時期から願ってきた。60歳の定年と共に〝完全隠居〟の身を選んだのにも、そういう背景がある。が人生ままならず、中途半端な5年間を過ごした。

本日、荒川区役所から「介護保険に関するお知らせ」なる封書が届いた。何が書いてあるのか、独力では理解する意欲も能力もないが「これで、胸を張って老人と名乗れる」という喜びがフツフツと湧き上がるのはワシだけだろうか。(そうだってば)

10日ほど前、夕刊の1面コラム「よみうり寸評」で珍しく(失礼)正論に出合った。

<45歳にして4年後の五輪にも出ると宣言した>選手がいるかと思えば<26歳で、これが最後の五輪と演技に臨んだ>選手もいる。と書き出し、串田孫一の随筆なんかを引用して蘊蓄を傾けてみせ(新聞のコラムがよくやる手)、 <65歳以上を一律に高齢者とみるのは現実的でなくなってきた。政府が高齢社会対策大綱で示した認識だ>。ここまではワシなんか反発しか覚えないが、結び方がなかなか良かった。

<健康で勤労意欲の高い65歳は確かに増えた。が、そうでない人もいる。人それぞれに自分なりの年相応の生き方がある。そんな視点も忘れたくはない>

<そうでない人>としては、これで溜飲が下がった。

話は変わるが、不朽の名画「東京物語」=写真=の小津安二郎監督(1903~1963)は満60歳の誕生日(12月12日)に逝去した(自殺ではない)。今だとマスコミは「早すぎる死」と言うだろうが、そうだろうか?

また話は変わるが、「東京物語」はワシが生まれた1953年の作品。計算が正しければ、名優・笠智衆(1904~1993)は当時まだ49歳だった。信じられない。

何がどうしたという話ではないが、「年相応の生き方」って何だろう。