力士はつらいよ

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〽どうせおいらはヤクザな力士/分かっちゃいるんだ女将さん/いつかアンタが喜ぶような/強い力士になりたくて/奮闘努力の甲斐もなく/今日も涙の/今日も涙の陽が落ちる/陽が落ちる (原詞:星野哲郎

「それにしても大相撲というのは、ずいぶん浮き沈みの激しい世界なんだな」と、この数か月で認識を新たにした人が多いのではないだろうか。

横綱日馬富士が暴力沙汰で引退に追い込まれ、その余波というかゴタゴタが長引いていると思っているうちに、いろんな「浮き沈み」が現出した。

まず、車の運転がばれたエジプト出身の大砂嵐=写真=が引退勧告に従った。治五郎は「そのくらい大目に見ろや」と言いたいが、ま、ルールはルールだから仕方がないんだろう。(しかし、なぜ力士は運転しちゃいかんのか?)

彼の乱暴な取り口は「おいおい、相撲はプロレスと違うんだよ」と言いたくなるものではあったけれど、嫌なタイプではない。(いいじゃねえか、こういうの一人ぐらい)

横綱は別格だから5場所、6場所を休んでも大関に落とされることはない(だから休場できるのである。白鵬も、稀勢の里も)。元大関で「次の横綱」と期待された照ノ富士は怪我が治らず、今や十両だ。こんど負け越せば、無給の幕下に陥落しかねない。お茶漬けのCMに出て笑っている場合ではないのだ。

十両に留めてもらった「被害者」貴ノ岩が、初日にどういう相撲を取るのか。相手に頭から当たることができるのかどうか。

この春場所は「浮沈」をキーワードに、十両の取組に注目してほしい、という一席でありました。お粗末。