「寅次郎 紅の花」とスマホ
「珍しいな。今日は『サンド会に参加します』という電話やメールが1本もない」
「ビールもおつまみも用意しちゃったから、じゃ、二人で宴会ということに」
てなわけで6時半から、BSジャパンが土曜日に放送している寅さん映画を見ながら缶ビール(ロング缶)をプシュッと開けチビリチビリ、いやグビグビと飲み始めた。
【ちびりちびり】少しずつ何回にも分けてその事を繰り返す様子。
【ぐびぐび】のどを鳴らして酒を飲む様子。
全48作に及ぶ「男はつらいよ」も、今夜が最終作「寅次郎 紅の花」=写真=である。マドンナの「リリー」役は何回も出演して好評を博した浅丘ルリ子。闘病中だった渥美清は体調がきつそうで、見ていても心が痛む。(ファンもつらいよ)
「これは確か1995年の作品だ。俺は1996年の8月初旬に2度目か3度目のモンゴルから戻って関西空港に着いたんだ。すると」
「渥美清が死んだというニュースを聞いたんでしょ。もう10回以上、聞きました」
「・・・」
夫婦の会話が行き詰まっているところへ、後輩の松本記者(♀)が来てくれた。
「この老女優(リリーの母親役)は誰だっけ」「千石規子」
「このタクシー運転手(犬塚弘)も死んじゃったんだっけ」「いや、生きてます」
松本記者が何にでも正しく答えられるのは、手に持ったスマホのお陰。ワシと同じでいまだにガラケーを所持する妻は近々、スマホに替えそうな気配である。