セリとジャンケン

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春の彼岸にしては寒い日が続くので、今季最後と称して鍋物が食いたくなった。水炊き(のようなもの)にしようと鶏肉や野菜、豆腐などの材料を用意した(用意してもらった)のだが、何か一つ足りないような気がする。なくてもいいけれど、香りや彩りを考えるとあった方がいいもの・・・何だろう。セリ=写真左=だ。

セリなら歩3分の八百屋(個人経営ではない)で売っているが、冷たい雨の中をセリ1把のために出かけるのは正直、面倒だ。

じゃんけんしかないな、という合意が暗黙のうちに成立した。じゃんけんぽん! チョキとチョキで、あいこだ。次は熾烈な心理戦の末、ワシが再びチョキを出すと、相手はグーで来た。やんぬるかな。

【已んぬる哉】〔「やみぬるかな」の変化〕決定的な最悪の事態に至るのは今さらどうすることも出来ないという嘆きを表わす語。

傘を差して、セリを買いに行く。2把で税込148円だった。水炊き(のようなもの)が香りも彩りも味もグンと引き立ったことは、言うまでもなかろう。

ずいぶんドメスティックな話題になった。セリを買って帰る途中、かつて親しくなって谷中の宴会にも何度か来てもらった歌手・芹洋子さんを思い出した。夫君(事務所の社長)や娘さん(マネージャー)とも面識がある。

久しぶりに会ってみたい気もするが、ワシは目下、ジャンケンに負けてセリを買いに行く身じゃけんのう。(今の境遇に後悔や反省は全然ありませんけどね)