恐ろしい男に会った話

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「昨日、花見に行く前に100円ローソンでレジャーシートを買った話はしましたっけ?」

「税込108円というやつか」

「あ、それですそれです。午前9時台のことだったと思います」

こういう店でレジャーシートを売っていないはずはない、と隅々まで探していたら、あった! 1・8メートル四方で、3~4人の花見には最適だ。

そこに変な男がいた。年の頃は40前後か。少し酔っているのではないかと思う。ワシは習近平があまり好きではないが、国籍で人を差別するタイプではない。が、この人は、あの大国から来ているのではないかと推定された。

「あなた、朝から酔ってませんか?」

(えっ?)

昨夜も少しは飲んだが、もう10時間以上「素面」である。この男は何を根拠に「朝から酔ってる」と言うのだろう。

酔っ払いの中国人に耳を貸す必要はないのかもしれないが、ワシは聞いてしまうタチなのですね。耳元で、彼はささやくように言った。

「もう1本、チューハイを飲みたいんでしょう。それで奥さんに叱られるんでしょう」

何だったんだ、あの男は? ゲーテの「ファウスト」に出てくるメフィスト=写真=みたいなもんか?