5年ぶりの谷中と有為転変
治五郎の放浪遍歴(記憶が正しければだが)。
1999年~2007年 台東区谷中3丁目
2007年~2011年 台東区谷中7丁目
2011年~2013年 板橋区赤塚2丁目
2017年~現在 荒川区西尾久3丁目
転勤があったわけでもないのに、普通だと生活が安定するはずの40代後半以降、これだけ住まいを転々とした男を私は知らない。「何があったのか?」と大雑把な質問をされても困る。一度に答えられるわけがないだろう。(どの引っ越しにも、のっぴきならない急を要する事情があったことには間違いないのだが)
【退っ引きならない】どうしても動きが取れない。どうしてもやらなければならない。「-用事」
一見して分かるように、通算12年に及ぶ「谷中時代」が長い。谷中墓地の花見なら短い「赤塚時代」にも出かけたが、それから数えても5年ぶりの谷中へ、今日は出かけてみた。花が盛りを過ぎたとはいえ、日曜の午後とあって「谷中銀座」=写真=界隈の賑わいは当時以上。観光客の群れに「今日は何の祭りだ?」と目を疑うほどだ。
猫グッズや小物を売る店が倍増した半面、昔なじみの飲食店が跡形もなく消えていたりして有為転変の実感がそぞろ身に染みるのである。
うい【有為】〔仏教で〕因縁によって生じたこの世の一切の現象。「-転変〔=この世の物事は移り変り・浮き沈みが激しくて、恒常的なものは一つも無いという仏教の考え方〕」
ワシの谷中時代は、狭い部屋に客人が多く(何か商いをしていたわけではない)、延べではなく実数で100人近い人々が来たり泊まっていったりしたものだが、時間の経過を考えれば、すでに亡くなったり夜逃げして消息不明になったりした人が少なくないのも当然だ。色即是空、諸行無常。合掌!