いかの姿フライ折れ

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サンド会が始まるまで1時間半ほどになったところで、妻が言った。「Nマートへでも行ってくる? お酒とネギトロ巻きでも買ってこない?」

ビールと幾つかの総菜は買ってあるのに、なぜネギトロ巻きなんだろうと思ったが(ははあ、これは人払いが目的の提案だナ)とワシにはピンと来た。

結構、付き合いも長くなってきたから相手の魂胆を見抜けるのである。広くない部屋を掃除するのに、亭主がゴロゴロしていては邪魔なのだ。どこの家庭でも見られる光景なのではないかと思われる。

Nマートにはネギトロ巻きが置いてなかったが、酒のつまみは何でもいい。「お徳用 いかの姿フライ 折れ」=写真=というのが目に入ったので、購入した。

大きめの袋に<折れていても、おいしさは いつもといっしょ!>と書いてある。訳あり商品で「徳用」なのだ。

【徳用】割安な様子だ。「-品」

販売者は仙台市の「カネタ・ツーワン」。裏面には<本品はエビを含む製品を生産している共通の施設で製造しております>とある。イカとエビの関係、及び「共通の施設」なるものの実体が今一つよく分からないが、まあ詮索はしないでおく。

ワシは商品の「見た目」に拘泥しない性格なので、「折れていても、おいしさはいっしょ」というカネタ・ツーワンの、実質本位・質実剛健な思想に共感する。

袋はチャック付きなので、来客が少なくて食べ残したとしても、しけてしまう心配はない。(この辺の観察と判断は、我ながら「主夫」の域に達しつつあると思う)

サンド会の客は結局、加藤画伯一人だけだった(来月は何人か増えそうな気配)。ところが!

「お徳用 いかの姿フライ 折れ」を、ワシは食卓に出し忘れたのだった。