空き缶ものがたり

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家を出て数歩のところに大型の自動販売機が2台、デンと据えてある。空き缶=写真=専用の大きなゴミ箱もあって、自販機の設置者が定期的に回収してくれるが時々、入りきれなくて溢れそうになることがある。それだけ利用者が多いのだろう。

治五郎も、こっそりコンビニで買った発泡性スピリッツ(アルコール分は高めの9%)の空き缶(ロング)を捨てるのに愛用している。(だから溢れそうになるのだ、というほどのことではないと思う)

溢れ始める頃に、誰かが缶をゴッソリ持っていってくれている事実に気づいた。先日、目撃したのだが、それをやってくれているのは40~50代のオジサンだ。外見はホームレスか、それに近いが大きな回収袋に入れて自転車でどこかへ運び去る。

調べてみたらアルミの空き缶は、しかるべき所に持ち込めば「10個で5円」だかの相場で金になるらしい。ワシの計算が正しければ100個で50円、1000個で500円だ。

1週間ほど前、その自販機の前でワシが100円玉を落とした。最奥部に転がっていってしまったもんだから、長い棒でもないと取れない。三遊亭小遊三じゃあるまいし、日中は人目があるから実行するのに抵抗がある。(真夜中だと、もっとアブナイかも)

「オジサン、その下の奥に空き缶200個分の金があるよ」と教えたくてたまらない。

大手新聞社を退職して5年余、例えば「格差社会」という問題を〝下から目線〟で捉えられるようになったことに、ワシは感謝こそすれ不満はありません。