なぜか大阪弁になる移民問題と女性の魅力
自国のニュースに敏感なヘルマン青年が、メールに次の記事を添付してきた。
<人種差別理由にエジルが代表引退 サッカーのドイツ代表MFエジルが22日、差別的な扱いを受けたとして、代表引退を表明した。トルコ系の同選手は自身のツイッターに「人種差別と軽蔑を感じ、これ以上ドイツ代表としてプレーしないと決めた」と記した。
ワールドカップ(W杯)ロシア大会で「戦犯」の対象の一人となったエジルは、ドイツ連盟のグリンデル会長にふがいない戦いを非難されたとし、「会長や彼の支持者から見れば、試合に勝てば私はドイツ人だが、負ければ移民だ」と批判した。>(ロイター時事)
「おお、ヘルマンか。二月以来だな。また何か人名に関する疑問でも?」
「いえ、エジル=写真=の災難が私には残念でなりません」
「あ、エジルなあ。ロシア大会では確かに調子が良くなかった」
「私も母方がトルコ系移民なので、ひとごとではないのです。『ひとごと』は漢字で書けば『人事』より『他人事』の方がいいようですね」
「相変わらず勉強熱心だな」
「エジルの『試合に勝てば私はドイツ人だが、負ければ移民だ』という言葉には重みがある。確かに、ドイツという国にはそういう側面があることを否定できません」
「う~ん、重いな。ところで、ほかにも何か?」
「へえ、昨日の治五郎日記に日本語能力試験の例題が載ってましたやんか」
<問題Ⅴ 次の文の____の部分に入れるのに最も適当なものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
男から見ると、____のある女性のほうが魅力的に見えるという。
1 うら 2 うしろ
3 かげ 4 こころ >
「あれの正解は『3 かげ』なんやてなあ。『4 こころ』じゃあきまへんのか?」
「そこが日本語の難しいところなんだろうな」
「私はN2まではクリアするんやけど、どうしてもN1に受かりまへんのや」
「まあ、めげずに頑張りや。ヘルマンなら大丈夫や」
「へえ、おおきに」