花火考

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出張先で一緒に取材中、長い沈黙の後に若いカメラマン(♂)が言った。「治五郎(ではなく本名)さん、白状すると僕、実は大好きなんです」

(な、なんだ藪から棒に。ワシは♂だぞ、そっちのケはない!)

これは勘違いだった。数分前に「花火」の話題になって、彼が「長岡の花火は見たことがありますか? 大曲のは? 隅田川のぐらいは見てるでしょう」と、うるさいもんだから「花火というものに興味がないんだ」と答えたら、気にしていたらしい。

 花火の写真をうまく撮るには独特の技術が求められるのだろう。プロでもアマでも、花火というジャンルに強いこだわりを持つカメラマンは少なくない。

ワシに言わせれば、打ち上げ花火=写真左=なんちゅうものは現実の夜空を焦がす一瞬にしか醍醐味がないのであって、後で写真や録画ビデオを見たって面白くもおかしくもない。観衆の「たーま屋~、かーぎ屋~」という掛け声なども、ワシは江戸の昔から好きになれなかった。(一体いつから生きてるんだ)

その点で線香花火=写真右=は、いいやね。「パチパチパチパチ!」が「パチ、パチ、パ・・・」になって、最後はポトンと落ちる。はかない人生が表現されている。

ちなみに、線香花火には若い女の浴衣姿がよく似合う。ただし、その娘は黒髪でなければならず、金色や茶色に染めていてはならない。手足の指に、変な色を塗りたくったりするのは厳禁。(爪に絵なんか描くな、気色悪い。何がアートだ)

治五郎の鬱憤とは関係なく、28日(土)の隅田川花火大会は台風12号の接近で開催が危ぶまれている。(中止になればいい)と願うほど、ワシも性格が歪んでいるわけではないので、大会の成功を切に祈っている、(ちょっとウソっぽいか)