しようもない話だが〝ネックレスの謎〟が解けた話

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ホントに、しようもない話だから期待しちゃだめだよ。

昔々(42~43年前か)、新米記者だった治五郎は、前橋警察署の間近にある民家の二階に下宿しておった。パトカーがサイレンを鳴らして出動すれば、深夜でも気がつくようにという社の〝配慮〟だ。(新米記者に人権やプライバシーはない時代だった)

階下に住む大家は隣県の県議だか市議だかのお妾さんで、平日は小学生の息子との二人暮らし。俗世間というものを知るうえでは勉強になったが今、それは関係ない。

ある日、インスタントコーヒーを飲むのに愛用していたクリープ=写真=が残り少なくなっているのに気づいた。「クリープを入れないコーヒーなんて・・・」というCMが流行っていた頃だ。

瓶の底近くに何かがあるので、取り出して見た。女性用のネックレス(首飾り)だ。安物とは言わないが高級品ではなく、しかしセンスは悪くないと思った。それにしても何故、このネックレスがクリープの底から現れたのか?

事件・事故の取材に忙殺されながら、治五郎青年がネックレスの謎に悩まされ続けた事情は、分かってもらえるのではないだろうか。

(あ~、もう書いてるうちに空しくなってきた。つまり、こういうことなんじゃよ)

 学生だった妹Aが兄の下宿を訪ね、忘れ物をした。その兄が、仲良くなった女(仮にK子としよう)を初めて自室に招いた。K子は、ネックレスを見つけて「あ、この男はフタマタを掛けているな」と確信するしかない。このようにして「クリープの悲劇」は未来永劫、世界のあちこちで繰り返されるのだ。

しかし勘違いによる嫉妬とは言え、クリープの底に〝証拠〟を隠して後日の〝告発〟を期するという発想は、なかなかのものだと思う。カワイイようでもあり、オソロシイようでもある。K子さん(仮称)は今頃、どうしてるかなあ。