ド忘れの恐怖を夢で味わう

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 こんな夢を見ることがあるでしょう。(ないか)

 自分が大相撲の土俵に上る。立場は、東西の力士を呼び出す呼出(よびだし)である。呼び出すだけでなく土俵上を清めたり進行を陰で支えたり、職務は無数にある。

年季を積んだ最高位を立呼出(たてよびだし)という。結びの一番に必ず登場するのが立呼出だ=写真は、現在の立呼出「拓郎」=。

あろうことか、治五郎が立呼出として土俵に上った。「ひが~し~ 白~鵬~」

我ながらウットリするような声である。美声とは言わないまでも、この一戦が神前で行われるのだという祈りと気合のこもった声だ。場内が聞きほれている。

そこで気を緩めず、ゆったりと体の向きを西に変える。「に~し~」

(あれっ、この力士の名は何だっけ? 稀、いや鶴、いや・・・)

どうしても出てこないという経験が、アナタにはないか? (ないってば)

現実には、呼出が力士の名を度忘れすることがタマ~にあるそうで、そんな時は土俵下にいる相撲協会の誰か(親方や呼出)が助け舟を出すらしい。 

【度忘(れ)】〔「ど」は接辞〕当然知っているはずの事を、とっさには思い出せなくなること。どうわすれ。

 夢の中だと「に~し~」の後は誰も助け舟を出してくれない。万事休す! 

そこで目が覚めるから、夢というものはありがたい。(覚めなかったらどうなってるんだろう? 怖いけど知りたい)

そういう経験、あるでしょう? あるよね! (なに、ない? ありませんか・・・)