診察予約を急に延期する人々の諸事情
どこの病院ということは言わない。(写真は、あくまでイメージだが、たまたま現実の外観と一致している)
朝の8時半、病院の女性事務員Aに、通院している男B(65歳)から電話があった。
B「あのう・・・予約を1週間、延期したいんですが」
A「はい。BさんのID番号と担当の先生は?」
B「番号は〇✖〇✖、△△先生ですよ確か」(延期の理由は聞かないの? 聞かれたら「いとこが急死した」とか、いろいろ妥当な口実を考えといたんだが)
A「先生は、薬が足りなくなってなければ来週でOKだそうです」
B「あ、薬なら、ちょうど1週間分が残ってます!」
Bというのは、もちろん治五郎のことである。昨夜は、2週間近い自由で不便な「一人暮らし」の最終日なので、残っている酒類を一気に片付けた。
4時半に朝刊を取りに行ったら、地球の自転が自覚される状態。このまま9時前に尿と血液の検査を受けるのは、いくら何でも無謀というものだろう。
電話受付のAさんは毎日、予約延期には慣れているに違いないが、患者それぞれの事情を想像してみることはあるのだろうか?
中には「3か月前に予約したんだけれども先月、事件を起こして逮捕された。先週、弁護士の接見直後にアクリル板を破って逃走。潜伏中の今は診察どころではない」という人もいるだろう。(そんな人が電話してくるかなあ)
ワシの場合は事情を何も聞かれなかっただけに、Aさんはすべてを「お見通し」なのではないかという過剰な心配をしないわけにいかない。医療関係者というのは、その職業を聞いただけで愚かな患者・市民をして不安と恐怖のどん底に突き落とすほどの〝威信バエワ〟と言えまいか⁈ (言えまい)