「世界翻訳の日」の空模様
<ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われらの恋が流れる
わたしは思い出す
悩みのあとには楽しみが来ると>
「おい治五郎。ご隠居! 大丈夫か? (目の前で手を振り)急に何を言い出した?」
「いや、ご心配なく。これはアポリネールの詩「ミラボー橋」の冒頭。訳は堀口大學」
「それは知ってるが、だから何なんだ?」
「高校時代にネ、野球部のエースのクラスメートがサ、学級日誌でヨ、この詩を紹介しているのを読んでワシゃビックラこいた。詩とは無縁に見える体育会系なのに、こんな詩を愛読していたとは! 人を外見で判断しちゃいかんということを、学習したんじゃよ」
<日も暮れよ、鐘も鳴れ
月日は流れ、わたしは残る>
う~ん、いいなあ。
9月30日は「世界翻訳の日」だそうだ。ワシの妻アルタンは(一応)翻訳家なので、フェイスブックなどで「この歌の詞を(モンゴル語に)訳してほしい」というリクエストが時々あるらしい。
島倉千代子の「人生いろいろ」を訳したら、次はテレサ・テンの「つぐない」「愛人」を訳してほしいと言われた。それで今、彼女は愛人に夢中だ。(誤解しないでよ)
「世界翻訳の日」というのは、4世紀だかに聖書をラテン語に翻訳したヒエロニムス=上=の亡くなった日に由来するそうだ。しかし、それはどうでもいい。
〝台風中継〟でテレビは他のニュースに冷淡だが、今日は沖縄知事選の結果が出たし、元横綱・日馬富士の引退相撲&断髪式があった。
来日した元横綱・朝青龍が、貴乃花問題への感想を問われて答えたというコメントが、なかなか興味深い。「今月は日本が台風、モンゴルは大雪。どっちも大変です」
そうか。モンゴルは、もう大雪の季節なんだ。