自転車の旅は、ハマるとやめられないらしい

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写真は、治五郎の若い友人の一人・石田ゆうすけ君(後ろ姿)である。彼のブログ「石田ゆうすけのエッセイ蔵」のトップページに掲げられている。

ワシのサンド会にも2度ほど来てくれた。どういう人かというと、かつて7年半をかけて単身、地球を一周したチャリダー(自転車乗り)だ。

いったい何を考えているのだろうか。自転車で地球一周だなんて、ワシは間違ってもそんな夢は抱かない(出発する前に疲れてしまうだろう)。が、彼はそれを実行した。生還後、何冊もの本を著したが、そんじょそこらの新聞記者よりも文章のコツを心得ているので評判が良く、雑誌への寄稿や講演などの機会も多いようだ。

ここ数日、にわかに忙しくなったと言う。大阪・富田林署から逃走して先日、とうとう捕まった樋田淳也容疑者(30)が、二人連れの〝にわかチャリダー〟を装っていたからだ。この男(石田君ではなく樋田容疑者の方)は、大胆不敵というか悪運が強いというか、犯罪と逃走にかけては天才的な知恵と判断力に恵まれていたようだ。

石田君は本物のチャリダーの〝大先輩〟として、マスコミに意見を求められて忙しくなったわけだ。彼(樋田容疑者ではなく石田君の方だよ)の意見は上記ブログに載っているから、興味のある人は読んでみて下さい。

石田君ではなく樋田容疑者の方は、山口県周防大島などの「道の駅」を転々とし、最後は周南市だかで万引きをして逮捕されたのだが、自転車で日本中を逃げ回ることに途中から本気になっていたのではないか? と思われる節もある。ハマると、やめられなくなるのかもしれない。

治五郎は、周防大島へは二度、行ったことがある。逃走していたのではなく、取材で出かけたのだ。この島が生んだ民俗学者宮本常一と、作詞家・星野哲郎に敬意を表する旅だった。例の道の駅も、自転車ではなく路線バスで通ったような気がする。

稀代の逃亡者・樋田容疑者にとっても、巨大な金魚の形をした周防大島は一生の思い出に残る地となったことであろう。人気(じんき)のいい土地柄だからなあ。