他人事として見るわけにいかないドラマ(その2)

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昨日の続き? 何の話だっけ。

 あ、少し思い出してきたぞ。金曜夜のTBSドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」=写真=のことかな? 大石静の脚本だというから、初回から見ている。

徐々に記憶が消えていく、アルツハイマー病によるMCI(軽度認知障害)になった女医と、彼女を愛してしまった男(売れない作家)との切ない物語である。

「忘却」というものと正面から向き合うフィクションとしては、ワシがかつて感涙にむせんだ小説「アルジャーノンに花束を」に通じるものがある。

【忘却】以前に何か▵した(あった)ことや、近い将来すべきことをすっかり忘れること。「―の彼方にある〔=すっかり忘れている〕 / ショックで前後をーした」

ほほう、この女医役は戸田恵梨香というのか(その母親役が草刈民代なんだが、一緒に英国へ行った記憶が治五郎の脳からは消えかかっている)。相手役はムロツヨシ? あまりパッとしない「お笑い芸人」かと思っていたが、なかなかの芝居をするのう。

次の週、続きを見ると同じ迷路が待っている。「この女優は何という人だっけ」「隣の男は、初めて見たような気がするが結構な役者じゃのう」

治五郎がMCIの大先輩であることに、疑いを挟む人はいないだろう。会社のエレベーターや、飲んで帰るタクシーの中で「この人の名前は?」と思い出せなかった経験は数えきれない。何年か前に読んだのを忘れて、また同じ本を買うようなことも40歳前後から頻繁にあった。以来、もう四半世紀だぜ!(威張るな)

発症の時期が早かった割に、進行のスピードが著しく緩やかなケースと言えるのではないだろうか。この患者の〝自己診断〟に、何か問題はありますか? 先生。