うらやむべし「ご当所力士」

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大相撲の九州場所が、はや三日目を迎えた。毎年のことだが、一年収めの十一月場所は九州出身力士の成績が概して良く、勝ち越す力士が多いと言われる。

田舎の親兄弟や親類、顔見知りが会場まで連日、足を運んで応援してくれるのだから、普段よりも力が入るのは当然だろう。三月の大阪、七月の名古屋も事情は同じだ。

東北出身の大相撲ファンは「心強いだろうな~」と、うらやましく思う。東北・北海道や外国出身の力士には一年中(いや一生涯)「ご当所場所」がない。常に、アウェー。それが彼らのハングリー精神を維持してきた、という側面はあるかもしれない。

今場所は、白鵬鶴竜の休場で「一人横綱」となった稀勢の里が「体調十分。優勝を目指す」と公言していたのに初日から2連敗で、大ピンチに陥った。休場するしか引退を免れる方法はないが、休場の理由が見当たらない。いや~困った。

ちなみに写真①は、ご当所(大分県)力士の嘉風。写真②は何かというとサンダーバード。1960年代のテレビで少年たちを夢中にさせた人形劇SFドラマだ。治五郎の世代は、①を見ると②を思い出す。上唇と下唇が動いて声を出す様子が、そっくりだ。

それはさておき、今場所だ。稀勢の里は休場の口実を見つけただろうか。3連敗でもすれば、横綱の座は極めて危うくなる。白鵬鶴竜も、わがことのようにハラハラして見守っているに違いない。まことに厳しい世界なのである。

(補記:やっちゃったよ、3連敗。今夜中に休場の理由を思いつけるかなあ、稀勢の里田子ノ浦親方は。「どこも調子の悪いところはない」と公言していたのだ。「悪いところ」を思いつかなければ「引退」の二文字が現実味を帯びてくる。こんな〝悪い夢〟は誰でも過去に何度か見た覚えがあるだろうが、大概は「あ~、夢で良かった!」で乗り切れるものだ。そう思える日が彼にも訪れてほしいのだが・・・)