あっぱれな風貌
日本のことがあまり知られていない国を訪ねると、子供たちからよく聞かれることがあった。「カラテは出来る?」「ニンジャの知り合いはいない?」
相手がオジサンだと「ハラキリやゲイシャは今も現実に存在するのか?」という質問を受けることも少なくない。国際理解の難しさを考えさせられる。
空手がオリンピックの正式種目になったからなのか、世界中で空手人口が急増しているそうだ。「形」と「組手」があるが、どちらも各国で強豪がひしめきだした。
日本で「形」の第一人者は、男子の喜友名諒と女子の清水希容=写真©共同通信=。組手と違って「仮想敵」が相手だから、実戦でも強いのかどうかは分からない。
治五郎などは〝一種のコケオドシ〟と見くびっていた節がある。
【虚仮脅し】〔物を見る目が無い人を驚かす程度の飾り物の意〕実質はそれほどでもないのに、いかにも相手を▵おどす(驚かす)ような▵こと(もの)。
しかし、喜友名や清水の試合というか演武を見れば、己の不明を恥じる気持ちになる。第一、風貌(面構え)がいいやね。裂帛の気合いが〝半端ない〟し、〝めちゃカッコいい〟のだ。刃物を持った何十人の暴漢に囲まれても「これなら大丈夫」と、安心していられる。(それはどうかな)
にわかファンになってしまった治五郎であります。