平成「駆け込み」組(続き)

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 モンゴルの遊牧民=写真①=のイチンノロブという子は、日本の高校(相撲部が名門)に留学したら「お前の生まれた年はヘイセイ5年だ」と教えられた。のちに与えられた四股名は、本名を少し加工した「逸ノ城」。

もっと前、ウランバートルから来日したダワージャルガル少年は、体が細くて相手にされなかったが失意の帰国寸前、宮城野部屋に拾われて「自分の生年はショウワ60年」と知った。今の横綱白鵬である。(ショウワ? ヘイセイ? なんだそれは、と彼らは一様に面食らったはずだ)

日本相撲協会のホームページは現在も「元号」一本槍なので、外国人力士は居心地がよくないのではないかと推察される。

治五郎にとって時間というのは「昨日に続く今日」なので、西暦だろうが元号だろうが「区切り」の必要をあまり感じない(動物の感覚に近いかな)。

しかし日本人の場合は、どうも元号によって自分が属する世代の塊(かたまり)を確認したがる傾向があるように思う。(ワシゃ昭和ですけんのう)

たとえば、平成の女子レスリング界に〝君臨〟した吉田沙保里=写真②=の気持ちをおもんぱかるに、「平成時代が終わる前に」という意識がありはしないか。やりたいことは十分やった、という悔いのなさが伝わってくる。元号の功徳とでも言おうか。

相撲? 相撲は大変だぜよ。治五郎親方の直感によれば、今年中に横綱大関の半分が入れ替わるのではないだろうか。この予言が当たるか否かは、年末に(ワシが生きていたら)また語るとしましょう。