ものごとは鵜呑みにすべからず

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【鵜呑み】〔鵜が魚を丸呑みにすることから〕食物の丸呑みや、人の言葉の真偽などをよく考えず、そのまま受け入れる意などを表わす。「―にする」

治五郎が愚考するに、SNS時代に頻発しているネット「炎上」事件の多くは「鵜呑み」に起因する。書く側が、思い付いたことをよく推敲もせず(一時の感情に任せて)公にする。それを鵜呑みにした読者が反発したり共感したりする。 

「鵜呑み」の反対語は何かといえば、ピッタリの日本語はなさそうだ。リテラシーという英語の力を借りるしかないのが現状かもしれない。

リテラシー〔literacy〕㊀読み書き能力(の程度)。㊁その時代を生きるために最低限必要とされる、素養。昔は、読み・書き・そろばんだったが、現代では情報機器を使いこなす能力だとされる。「コンピューターー」

ワシが付した下線部分に、新解さんの私情(不満)が微かに見て取れよう。

言語学者柴田武さん(1918~2007)は畏れ多くも、わが新解さん新明解国語辞典の編者の一員であらせられるから、生前に表敬取材したことがある。「息子に『里程』と名付けました。リテラシーです」。没後、その里程さんに会って追悼記事を書いたことは言うまでもない。

メディア・リテラシーという言葉も最近、少しは知られるようになってきたようだ。しかし、まだ国民全体の1~2割だろう。情報機器を使いこなす能力のない爺さん婆さんは、新聞やテレビのCMなんか鵜呑みにしちゃいけないよ!