後輩記者の活躍を寿ぐ

f:id:yanakaan:20190209105935j:plain ©手塚治虫

おととい(9日付)の読売新聞朝刊は、元文化部記者の古老・治五郎にとって少なからず感慨深いものがあった。まず、ロングラン「時代の証言者」欄が取り上げた「森は海の恋人 畠山重篤」が、36回目をもって無事に大団円を迎えたこと。筆者の鵜飼哲夫・編集委員は、おそらく読書量とおしゃべりの量では社内随一だろう。あんなにしゃべっていて、なぜ本を一日に何冊も読めるのか不思議でならなかった。

もう一件は<平成の傑作マンガを、手塚治虫さんの作品を手がかりに読み解く>連載が始まったことだ。「マンガのくに」と題し、手塚の没後30年の日を選んでスタートした企画は、一部で〝オタクの元祖〟とも呼ばれるサブカルチャー通の編集委員石田汗太が執筆する。

この二人、タイプは違うがワシから見て共通するのは「自己実現」に執着しているという点にある。ワシが酔っ払っての説教や議論はよくやったが、不愉快な思い出は一つもない。(相手の感想は違うかも知れんなあ)

だいぶ年下だと思ってきたが、どちらもそろそろ60歳。定年が見えてくる頃だ。(最近は、ワシみたいに60でスパッと辞める人など珍しいらしいが)

そんな年になって、鵜飼も石田も「ライフワーク」に目覚めているのではないかと思える。書ける間に何を書くか。書かないうちは死んでも死にきれん。そんな思いが募っているのではないだろうか。応援したい! という気分になる治五郎であります。