まだまだ寒いうちには入らない

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日本全国が寒波に見舞われて北海道では連日、TVリポーターが濡れタオルを振り回して「あ、凍りました!」と驚いてみせている。が、それはまだ甘い。

治五郎も、実はまだ厳冬期のモンゴルへは行ったことがない(今後も行く機会はなさそうな気がする)。が、タオルが凍るくらいなら4月中旬に経験している。マイナス40度や50度以下の真冬には「うっかり深呼吸すると、肺をやられる」そうだ。

 数年ぶりに知人の消息を尋ねたら「彼は去年の冬、友達の家を訪ねた帰りにマルガイを置き忘れたので、頭をやられて死んだ」と言われ、冗談かと思ったら本当だった。マルガイというのは帽子のことで、以来この単語は頭にこびりついている。

そのくらいの気温になれば立ち小便をした時、オシッコが弧を描いたまま凍るそうで、泌尿器関係の損傷を防ぐには、体を横に回転させながら用を足す。うまく一回転できれば螺旋形のオブジェが完成するという話も聞いたが、真偽のほどは分からない。

 ウランバートル市民は、どうやって寒さをしのいでいるのか? これが、心配ご無用。戸外へ出るのは命がけだが、家(集合住宅)の中ではTシャツ1枚で過ごしている。社会主義時代の遺産で全戸、スチーム暖房が完備しているのだ。

集合住宅ではないゲル(遊牧民古来の移動式テント)は大丈夫なのか? 心配ご無用。ゲルの構造が独特で、ストーブに入れるアルガリ(乾燥した牛糞)の火力と保温力が半端ない。あ~、今の季節のモンゴルへ行きたくなった。