アクセント辞典としての新解さん

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 上の図を見ていただこうか。何かの暗号表ではなく、新解さん新明解国語辞典)第七版の「後見返し」(後ろの表紙の裏ページ)に載っている「アクセントの型一覧」というものである。

どう見ればいいかは欄外に説明があるが、 それを読まなくても賢明な人なら30秒、そうでない人も4~5分ほど表とニラメッコすれば理解できるはずだ。すべての見出し語のアクセントを、目で見てわかる形に示してある。

応用問題。「春が来た」の「春」、「花は咲く」の「花」のアクセントは、それぞれ表のどこに位置するか。

答え。春は2- 1⃣ 、花は2- 2⃣ 。どちらも拍数2だが、尻上がりか尻下がりか、後に続く助詞(など)が上がるか下がるか変わらないかによって違う。

なに、分からない? 治五郎も、実はよく分からなくなることがある。例えばスミレが 0⃣ でツバキは 1⃣だ。「彼氏」はどうか?

 かれし1⃣【彼氏】

 そうでしょ? 「彼氏」のアクセントは「ツバキ」と同じ3- 1⃣ 型のはずなんだが今どき、高齢者以外は「スミレ」と同じ3- 0⃣ 型で「彼氏」を発音する。 

そういうことにメクジラを立てるようになれば、そろそろ正しい(頑固な)年寄りの仲間入りだとワシは思うのだが、新解さんは一覧表の説明に付け足して言う。

<それぞれの例語は、ここに示したアクセント型しか持たないということではない> 

そりゃないよ、新解さん。