人の七回忌に行く資格を自問する

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後輩記者のM本Yから「老婆心ながら」とメールが届いて、共通の先輩であるK原さん(通称Kやん)の七回忌があるのだが、退職後の治五郎が大抵の会社関係者とは音信不通なので、K夫人のH美さんに連絡してあげたら? と言う。

M本Yは、異性だが気の置けない間柄。【気が置けない】気を許してつきあうことが出来る様子だ。

Kやんは敬愛する先輩だったし、癌で亡くなる前週に病床を見舞ったのだが、ワシの方が〝都落ち〟その他で大変ドタバタしていて、葬式にも行けなかったという経緯がある。2013年のことだ。

いろいろ考えた結果、取り急ぎM本Yには以下のように辞意を伝えた。

<親しかった故人中、Kやんは夢に現れる第1位なので心は動かされるのですが、以下の理由で辞退します。

1.自分の生前葬、七回忌ともに済んでおり、今後は死亡を告知する気もない

2.先日、大手町まで行けたのは歩く必要がなかったからで、脚が弱っている

3.「供養なら夢の中で十分」と本人に言われた

以上、真意をH美さんに伝えて下さいますよう。>

ここからがワシの意志の弱いところで、H美さん宛のメールには上の辞退理由を添付したうえで「これはこれで本心なのですが、改まった〝儀式〟でない限り、H美さんやT口さん(Kやんの親友)に再会しておきたいのも事実」と、辞意を半ば翻した。

会場は銀座の某カフェ=写真=だというから、よもや黒の礼服を着て行かなきゃならないということはないと思うが、その辺はまたM本Yにご教示いただくしかない。

完全に「人前から消える」ということの難しさが、日々、身に染みて参ります。