危険な暑さと「神幸祭」

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 わが街・西尾久は一応、東京の下町であるからして、神田や浅草ほど有名ではないが古社の祭りなどは健在である。歩3分の尾久八幡神社などは結構、由緒があるらしい。この界隈を「阿部定事件の現場付近」とだけ覚えてほしくはないものである。

その尾久八幡宮例大祭の最中で、最終日の本日は4年に一度の「神幸祭」=写真=が行われた。治五郎は住民になって2年強だから、まだ見たことがなかった。人が群がるところは苦手なので歩3分とはいえ、わざわざ見に行ったりはしない。

が、子供の引っ張る町内みこしが午前中から表通りを行き来するので、ついフラフラと往来へ出て、少し歩いた。恐ろしい暑さである。昨日は全国で23人だかが熱中症で死んだ(とみられる)そうだが、他人事ではない身の危険を感じて部屋に戻った。

<犬が人に噛みついてもニュースではない。しかし人が犬に噛みついたら、それはニュースである>と、新人記者時代に教えられたものだ。

新解さんが定義するように、ニュースというものが「▵新しい(珍しい)出来事(についての知らせ)」であるならば、今やニュースとは呼べないニュースが増えすぎた。

アメリカでは、テキサス州の商業施設で銃乱射事件があって20人が死んだ。同じ日にオハイオ州では9人が銃で殺されたという。個々の不運な犠牲者について、だれがどういう人だったかを知ることは不可能に近い。人数が多すぎるからだ。

日本の新聞が(紙の新聞がまだ残っていたとして)10~20年後の夏、どんな紙面になっているかを大胆に予想してみようか。

社会面の片隅に「昨日の数字」という欄が出来ている。ある日の内容は次のごとし。

アメリカ全土での銃乱射事件による死者 207人

熱中症によるとみられる日本全国の死者 178人

それならまだしも、

・ハレンチ罪やパワハラ、セクハラが発覚した公務員・議員 29人

・同上の芸能人・マスコミ関係者 13人

毎日毎日、この調子。いちいち内容を詳しく報道していては、社会面が何ページあっても足りないのである。あんた、そこで笑ってる場合とちゃいまんねんで。