起承転結の結

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<10年前の〝生前葬〟が発端。この3年は毎月第一土曜の晩に「いちど会」と称する小宴を催してきた。参加者は性も年も職業もまちまちだ。「来る者は拒まず」主義だから、顔触れは固定していない。

 ≪出会いは絶景である≫とは俳人永田耕衣の言葉だが、その≪絶景≫に毎回、立ち会ってきた。さまざまな個性の持ち主が出会って広がるそれぞれの世界……記者冥利に尽きる。

 異動の季節。入社以来ずっと在籍した編集局から本日を最後に転出することになった。幸い今後も原稿を書き続けられそうなので寂しさはないが、31年の記者生活を振り返っていささかの感慨なしとしない。

 折り返し点にあたる16年前の4月、厳寒のモンゴル草原で出会い「一宿一飯の恩義」という日本語を思い出させてくれた老映画監督Cの顔が浮かぶ。くしくも最近、彼はすでに亡くなったと風の便りに聞いた。

 ーーありがとう、そしてさようならC監督。あれからの16年が、とても充実した歳月に思えます。(顕)>(2007年3月30日付)

          * * * * *

と、これで「日没閉門」を迎えるはずだったのだが・・・いったん編集局を去った2007年から定年退職する2013年までの間に、また幾つかの波乱があった。同年の帰郷から、2017年4月の「4・10事件」まで4年。

その後も含めると、ワシの「起承転結」にはエンドレスの気配がある。いつか本当の「結」を書きたいものだ。(叶うまい)

なに、もう大相撲秋場所の初日が始まった? 序の口の取組が始まる? そろそろ治五郎親方にも起きてほしい? 分かった、すぐ行く。

ボケは、このようにして始まることが多いもののようだ。