後生畏るべし

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こうせい【後生】自分のあとから▵生まれる(学ぶ)人。「―畏(オソ)るべし〔=将来どんな偉物(エラブツ)になるか分からないのだから、若いからと言って侮るわけにはいかない〕」

国連の「気象行動サミット」に参加したスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリという少女(16)=写真=の演説に、その感を強くした。

<全生態系は崩壊しつつあります。大量絶滅の始まりに私たちはいるんです。
  なのに、あなたがたは、お金の話、永遠に続く経済成長というおとぎ話しかしていない。ありえない!
  もう30年以上も、科学は明快に示してきました。なのに、あなたがたは目をそらし続け、ここに来て、ちゃんとやってるとか言えるなんて。ありえない!> 

 はばかりながら治五郎は約50年前から、だいたい同じことを感じてきた。グレタの演説は「私たち(未成年の若者)」と「あなたがた(首脳会議に出てくるような大人)」を対峙させすぎていて、少しエキセントリックな印象を受けるが、言っていることはマトモだ。

指弾された「あなたがた」が盛んに拍手する姿も不可解だ(「あなたがた」の中には日本の新環境大臣も含まれる)。トランプや彼の支持者、追随各国の首脳者と、グレタとのディベートをやらせたら面白いことになるだろう。

 <永遠に続く経済成長というおとぎ話>によって地球は滅びる! とはワシも(16歳の頃から)確信している。手塚治虫の初期の漫画で、主人公が「人類は将来、発達しすぎた科学文明によって滅びるのではないだろうか」という趣旨のセリフをつぶやく場面に出合った影響かもしれない。

その予言が的中するとして、しかしそれじゃ「後生」が救われないわなあ。