力士は相撲のプロ、弁護士は入れ知恵のプロ

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治五郎親方の直感を言おうか。この勝負、貴ノ富士と弁護士=写真=に勝ち目はない。

あまりに出来の悪い付け人に業を煮やした十両・貴ノ富士(22)が、相手に差別的な言辞を吐き続けたうえ、カッとなって顔を殴った(2度目)というのが発端。ワシも見に出かけた稽古総見が終わった後の出来事だという。

 「自主的に引退した方がいい」と繰り返す千賀ノ浦部屋の親方(元小結・若三杉)に納得できず、弁護士を雇って日本相撲協会を敵に回した貴ノ富士の気持ちも分からんではないが、それは「世間知らず」というしかない。

世間知らず】実社会の事情に暗い▵こと(人)。世間見ず。

ちなみに「実社会」とは何かと言えば・・・(もう何度も書いてきたが)

実社会】実際の社会。〔美化・様式化されたものとは違って、複雑で、虚偽と欺瞞に満ち、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す〕

 最後の相談相手として親方や女将さんではなく弁護士を選んだというところに、この有望力士の哀しい定めがあると思う。

彼は中卒後、しつけの厳しい貴乃花部屋で育ったから、千賀ノ浦部屋に移ったら、挨拶も出来ない若い衆の存在が信じられなかったに違いない。〝角界ドラえもん〟こと千賀ノ浦親方にも責任の一半はある。

「なんとかして相撲を取り続けたい」と思う貴ノ富士は、親方や双子の弟・貴源治からも「引退した方がいい」と言われて追い詰められ、弁護士に泣きついたんだろうが、弁護士というのは「入れ知恵のプロ」であって、記者会見で必要以上の「代弁」をすると角界どころか、世間一般の共感が得られない。

 日頃の〝いじめ〟まで報じられ、それを認めざるを得なかった以上、今の世の中で生き残る目はない。貴ノ富士よ、人間は諦めが肝心だよ。