哀しきかな「猪突猛進」と「横流し」

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この1週間、読売新聞を読んでいて(というか、眺めていて)「よく分からなくなってきました」の感が強い。

いつの間に、日本人は「ラグビー大好き民族」に変貌したのだろう。南洋の小国に勝てば1面トップ+スポーツ面+別面特集記事。試合の何日も前から大騒ぎだ。

治五郎は、月光仮面のように「憎むな、殺すな、許しましょう」主義なので、どんなスポーツにも等しく愛を注ぎたいと念じている者であり、ラグビーを憎んだりする気は毛頭ない。そこんところをよ~く理解してもらわないと、議論は先に進まない。

ある程度ルールなどが分かってくると、ラグビーも確かに面白い。が、ゲームを見ていて、ワシの衰えた脳裏に浮かぶ単語は次のようなものだ。

「押しのける」「ごり押し」「猪突猛進」「力ずく」「邪魔だ、どけどけ」。いちいち新解さんの定義は引用しないが、ワタクシがどうしても好きになれない諸概念である。

ルール上、許された(手による)パスの渡し方には「横流し」という言葉が浮かんだ。

横流し】配給品・統制品などを不正に転売すること。

いや、それとこれとでは意味が違うんだけどね。どうも、嫌な言葉を連想するんだ。

南半球の強豪国が、試合前に披露する「ハカ」などの儀式=写真=には「敵に対する敬意」も込められているそうで、ワシなどは「さすが先住民」と思ってしまいがちだが、ハカの本質は「力の誇示=強がり」だろう。好かんとよ。

アメリカとかイギリスとか具体名は挙げないが(挙げてるじゃねえか)、国際政治からも「猪突猛進」や「横流し」は消えてほしいものです。