20年ぶり?に手で文章を書いた

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 20年というのは、必ずしも誇張ではない。20年前といえば治五郎は働き盛りで毎日、相当な量の原稿を(大いに楽しみながら)書いていた時期だが、すでに鉛筆やボールペンを握ることはなく、何を書くのにもパソコンが欠かせない時代になっていた。

手紙よりメールの方が、早くて確実。という「神話」が蔓延して、ワシもそう思わされてきた。間違いだったとは思わないが、自分より上の世代には「メールって何だ?」という人も、決して少なくない。

先月のサンド会当日、敬愛する79歳の音楽家から電話があった。

「そこへ行きたいんだが、行き方が分からない」

「う~ん、来てほしいんだけど、どこの駅で何線に乗り換えて、バスの何番乗り場から乗るかという説明が、電話では難しい。次回以降のために、書いて送りますよ」

というわけで、手書きのメールを郵送することになった。(今の隠居所にはプリンターがないし、コンビニなどへ印刷しに行くのも面倒だ)

飲みながら書いたら案外、まともな文字が書けた。ところが翌朝、素面で封筒に宛先を記す段になると、これが一苦労。ミミズが這ったような、というよりイモムシがのたうち回っているような字になる。

 切手を貼るのが、また大変。消費税アップで普通郵便は84円になったそうだが、昔の記念切手(62円)がたくさん残っているので、それ1枚に22円分を貼り足さなければならない。10円切手を2枚と2円切手1枚、計4枚を貼ったら結構、疲れた。

手紙を手で書いて、封筒に切手を4枚貼って出すという作業が、治五郎老人にはかなり難しい作業であることを思い知ったのである。