治五郎親方の「嬉しいような、哀しいような」

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大相撲九州場所は、14日目に横綱白鵬が43回目の幕内最高優勝を決めた。強すぎたというより、他の横綱大関が相次いで早々と休場したからだ。面白くない。

幕内で白鵬十両で東龍、幕下では照ノ富士(大怪我で序二段まで落ちた元大関が、這い上がった)。各段優勝者は上の3人が3人ともモンゴル出身者で、序二段優勝の北天海というのもモンゴル人。とうとう、こういう時代になったのだ。

十両の霧馬山や豊昇龍(朝青龍の甥)ほか、いずれ三役入りしそうな若手がワンサといる。浅からぬ因縁によりモンゴルびいきとなって久しいワシだが、こうまで優劣がハッキリしてくると「元寇に脅える鎌倉幕府」的な気分にもなろうというものだ。

 そもそもモンゴル国は、人口が(増えつつあるとはいえ)320万人ほど。日本の4倍の国土面積に、住んでいる人間の数は静岡県より少ない。日本(1億2千万人?)の何十分の一に当たるのか、誰か計算してみて下さい(ワシには計算できない)。そのうちの2人が長く横綱の座を守り、今場所は各段優勝者の6人中4人を占めた。一体どういうこっちゃねん。

白鵬の優勝43回という記録は今後、何十年も破られないだろう。横綱審議委員会の御歴々からは「品格」に注文がついているが、それは「負け犬の遠吠え」に聞こえる。日本に帰化した白鵬は、引退すれば白鵬部屋の親方になり、遠からず日本相撲協会理事長という「権力」の座も保証されているに等しい。(なにしろ対抗馬がいない)

彼自身は、体力の衰えを感じて「東京五輪までは」と言っていたが、優勝したら「あと2~3年は続けて優勝50回」が目標になったらしい。人間の「欲」は果てしない。

 はてし【果(て)し】「果て」の強調表現。「―〔=きり〕(が)ない」