老いらくの「街歩き」で疲労困憊

f:id:yanakaan:20170929232859j:plain

午前10時、早稲田大学大隈重信像=写真=前でカメラマンと待ち合わせた。都電荒川線の終点で下車すれば5分で着けると踏んだのが甘く、久々の早大構内で、さっそく迷いかける。(母校ではないが、過去に仕事関係で10回前後は来ているのに)

初対面のカメラマンにはメールで「野球帽をかぶった、むさくるしいジジイ」と自己紹介しておいたので、相手はすぐにワシを認識し直進してきた。40代、一見して闊達な性格らしく、なかなかのイケメンである。柄本明みたいなタイプだったらどうしよう(外見と役柄の印象だよ)と少し心配していたので、すっかり安心した。

街歩きルポというのは普通、さまざまなパーツから構成される。写真さえ押さえておけばいいだけの有名なスポット、人に会って何か面白い話を聞き出さなければならない施設、味を自分の舌で確かめてから褒めるべきレストラン、等々・・・。

今回のコースは早稲田~神楽坂。メーンは、夏目漱石が晩年を過ごした早稲田南町に完成した「漱石山房記念館」だ。数年前までは住居跡にあった「漱石公園」で、いちど探し当てたことはあるが今や単独での再訪は不可能。カメラマンのGPSが頼りだ。

午後は、編集部が指定してきた幾つかの名店を早稲田通り沿いに訪ね歩いた。「急に来られても・・・あらかじめ社長に文章で取材の趣旨を伝えて、許可を得て下さい」という店が多い。(アンタら役人か⁈ と怒鳴りそうになったが我慢した)

遅い昼食を、「見番横丁」にある評判のフランス料理店で食うた(この辺の路地は昔、よく夜に彷徨したから詳しいんだが、日中だと勝手が違う)。フレンチと言っても、ランチ(ワンプレート+パン+珈琲)は税込1000円。

肉系と魚系を一つずつ注文し、屋外テラスで撮影してから体に摂取する。ボリュームも味も(値段も)ワシには申し分ない。こういう店に入って男二人で食事した経験は何度もあるが、やはり、イケメンより(容姿にかかわらず)相手は異性の方がいいね。

JR飯田橋駅周辺で何度目かの迷子になりかかり、お茶の水駅からのバスが渋滞に遭ったりして、家にたどりついた時はヘトヘト。締め切りが近いから本当は、ブログで憂さ晴らしをしている場合ではないんだが。