2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

淀川さんと満月

はい、淀川長治さんですね。皆さん覚えてますか? えっ、もう忘れた? 仕方ないかもしれませんね。人は誰でも、死ねば忘れられるものなんです。 ほんの数年前のように思っていたが、指折り数えれば20年も前になる。映画評論家の淀川長治さん(1909~1998)=…

懐かしき大塚

「治五郎さんは夫婦円満で結構なことですね」 「ふむ、キミにはそう見えるかね。結婚なんちゅうイビツな制度に、人類の明るい未来があるとキミは本当にそう思うかね」 自慢するわけではないが、ワシは5か月に1度ぐらい(微妙な周期だ)夫婦喧嘩をして「家…

恐ろしい男に会った話

「昨日、花見に行く前に100円ローソンでレジャーシートを買った話はしましたっけ?」 「税込108円というやつか」 「あ、それですそれです。午前9時台のことだったと思います」 こういう店でレジャーシートを売っていないはずはない、と隅々まで探していたら…

昨日の今日の飛鳥山

飛鳥山公園(北区)の桜=写真左=が満開だというので、珍しく外出した。本当は何人か集めて白昼の宴会を企んでいたのだが、平日だから一般勤労者は忙しい。隠居夫婦と加藤画伯で都電「王子駅前」に集合し、東武ストアでビールなどを買い込んだ。 上野公園な…

「ある意味」の本当の意味

例えば「この官僚は、ある意味では政治の犠牲になった」という言い方がある。しかし治五郎がここで取り上げようとしているのは、森友問題や証人喚問の話ではない。従って佐川宣寿氏=写真=は一応、無関係。単にコトバの問題なのである。 「ある意味では・・…

治五郎親方の大相撲春場所総評

「荒れる春場所」には程遠い、つまらない15日間だった。本命も大穴も不在の競馬レースみたいなもんだ。 休んでばかりの横綱二人がまた休み、ワシが近い将来の「咲勝(しょうしょう)時代」到来を早々と予見した阿武咲は全休、貴景勝も途中休場。終盤の優勝争…

貧乏話は人を朗らかにする

「治五郎はんは苦労人には見えまへんな。貧乏したこと、おまへんやろ」 「そりゃアンタみたいに夜逃げしたり、娘を女郎屋に売ったりした経験はないよ」 「人聞きの悪いこと言わんといてや。第一『女郎屋』て古すぎまへんか?」 「それはそうとアンタ、なんで…

大根について考える

今夜は「風呂吹き大根」にしようと思い、買ってきた(いや買ってきてもらった)大根を輪切りにして皮をむいているところだ。(この料理は時間がかかる) 【風呂吹き】太いダイコンや大きなカブを厚く輪切りにして柔らかくゆで、ねりみそをかけた料理。 なぜ…

今こそ「JB放送」の構想を明かそう

スポーツ新聞のコラムか何かで、こういう話を読んだ。高齢の歌手(元)に会ったら、最近はBS以外のテレビを見ていないと言う。「ゴールデンタイム(午後7時~10時)の地上波番組は若い人が騒いでいるばかりで、何が面白いのか理解できませんから」 もっと…

セリとジャンケン

春の彼岸にしては寒い日が続くので、今季最後と称して鍋物が食いたくなった。水炊き(のようなもの)にしようと鶏肉や野菜、豆腐などの材料を用意した(用意してもらった)のだが、何か一つ足りないような気がする。なくてもいいけれど、香りや彩りを考える…

東西南北の概念は、これで本当に正しいか?

「治五郎はまた何を言い出すんだ?」と思うだろうが、まあ我慢して聞きなさい。文明論的に見て我ながら、なかなか価値のある話題が展開されそうな予感がするのだ。 上に図示された方位に対して、異を唱える人はいないだろう。上=北、下=南。従って右=東で…

「えこひいき」や「えりごのみ」をしない者の悩み

【依怙贔屓】自分の好きな人や関係の有る人だけを特に ひいきにすること。 【選り好み】〔多くのものの中から〕好きなものだけを選びとること。より好み。 つねづね申し上げておりますように、治五郎は「みんな違ってみんないい」という信条の持ち主なので、…

「ら抜き言葉」にどう対処するか

【ら抜き言葉】「見れる」「起きれる」「出れる」「食べれる」などのように、可能の意を表わすのに、「見られる」「起きられる」「出られる」「食べられる」の「ら」を脱落させた表現形式。規範を重視する立場からは、誤用とする向きが多い。 治五郎は「規範…

「寅次郎 紅の花」とスマホ

「珍しいな。今日は『サンド会に参加します』という電話やメールが1本もない」 「ビールもおつまみも用意しちゃったから、じゃ、二人で宴会ということに」 てなわけで6時半から、BSジャパンが土曜日に放送している寅さん映画を見ながら缶ビール(ロング…

「点と線」でも泣くジジイ

松本清張の「点と線」は、若き日の治五郎が過去に最速で読み終えた記念碑的な小説。時代の波に流されて本格派「探偵小説」から社会派「推理小説」へと、ワシの読書傾向が転換し(いま思うと)誤った道を長年、突き進むことになった元凶でもある。 2007年にテ…

灯りはぼんやり 灯りゃいい

お酒はぬるめの燗がいい(冷やして飲む方がうまい酒も多いが)。女は無口でなくてもいいが、おしゃべりなのは嫌だ。八代亜紀「舟歌」の詞(阿久悠)には大体、共感できる。 夜道を歩いていて人家の玄関前を通ると、通っただけでパッと電気(防犯灯)がつくこ…

「相撲」と「相棒」に関する諸問題

【相撲】〔土俵の中で〕二人が、力や わざによって勝負を争う競技。土俵の上で、まわしをつけて取り組み、相手のからだを地につけるか、土俵の外に出すかすれば勝ちとなる。 治五郎が、例によって辞書(新解さん)を「読んで」いたら相撲の定義があった。ま…

「後は野となれ山となれ」という思想

ヤホーで「野山」を画像検索すると(えっ、Yahoo はヤフーって読むの? お笑いコンビ「ナイツ」の塙クンの真似です)、最初にこれ=写真=が出てきた。しかし今は野や山の話がしたいのではない。 優れた辞書とは「調べる」ものではなく「読む」ものだ、とい…

「閑」と「忙」の兼ね合い(続き)

昨日は語り足りなかったので、続きを少し。 昔の「隠居」というものは、外へ出て往来をボーっと眺めたり縁台で将棋を指したりするくらいしか、やる事がなかった。しかし今はネット時代なので、パソコンに向かうと途端に忙しくなる。 現役時代の治五郎は、早…

「閑」と「忙」の兼ね合い

隠居の身は暇だろうって? 常人はそう思うだろうが・・・実際、暇なんだよ。 【閑(かん)】する事が無くて、ひまなこと。「忙中、ーあり〔忙しいとは言っても、たまにはひまな事があるものだ〕/-中、忙あり〔ひまだとは言っても、たまには忙しい事が有る…

力士はつらいよ

〽どうせおいらはヤクザな力士/分かっちゃいるんだ女将さん/いつかアンタが喜ぶような/強い力士になりたくて/奮闘努力の甲斐もなく/今日も涙の/今日も涙の陽が落ちる/陽が落ちる (原詞:星野哲郎) 「それにしても大相撲というのは、ずいぶん浮き沈…

「米朝」問題は原点に立ち返るべし

現代日本で「米朝」と言えば「アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」を意味しているが、治五郎の中では、米朝と言えば落語の桂米朝(三代目)(1925~2015)=写真=のことに決まっている。 朝から新聞もテレビも「米朝」「米朝」とうるさいも…

取り分けて相性のいい岡山県

予告してしまったので、読者の迷惑を省みず始めるしかない。「どうも、治五郎と性が合ってしようがない県」シリーズの第1回。 ①長崎県 ②沖縄県 ③北海道・・・と順当に進めていきたいところだが、その前に特別枠として「岡山県」がある。写真左をご覧なさい…

高見順の詩「黒板」

病室の窓の/白いカーテンに/午後の陽がさして/教室のようだ 中学生の時分/私の好きだった若い英語教師が/黒板消しでチョークの字を/きれいに消して/リーダーを小脇に/午後の陽を肩さきに受けて/じゃ諸君と教室を出て行った ちょうどあのように/私…

なぜか相性のいい県

便宜上、3つのグループに分けて考えよう。 A.相性のいい県 B.相性の悪い県 C.どっちでもない県 読者は先刻ご承知だと思うが、治五郎は「みんな違って、みんないい」主義なので嫌いな食べ物はないし、嫌いな都道府県もない。どの県にも探せば必ずいい…

去年書いたことを忘れ、40年前に読んだものを思い出す

年を取ると、タイトルのような現象が頻繁に起きるものだ。当ブログを始めたのは去年の夏だが、その頃に書いたことを詳細には覚えていないので、ときどき読み返さなければ全く同じことをまた書く恐れがある。(幸い、それはまだない) 自分のブログを読み直し…

自動販売機とネコババ

よく知られているように、落語の三遊亭小遊三師匠(71)=写真=の趣味は自動販売機の下に落ちている小銭の収集である。賽銭箱の中身や駅前の放置自転車なども、よく狙われる。 というのは冗談で、これは本人が作り出したキャラクターに過ぎない。治五郎も今…

「ちりも積もれば」と言えば語弊があるが

スタートから8か月余、このブログを一度でも読んだという人の数がきのう3月3日、1万人に達した。(えっ、1日にじゃなく8か月でやっと1万人? と、世の「人気ブロガー」たちは驚き呆れることであろう。ほっといて下さい) 前にも書いたが、治五郎はあ…

「老人」を悩ませる「トトロ」のリュック

晴れて行政も認める「老人」になったばかりだというのに、怪事件が起きた。 (また怪事件か。治五郎の怪事件はあまり信用できないからなあ、と言わずにまあ聞いて下さいよ) 本日午後2時ごろのことである。隣のマンションとの間に高さ1・5㍍ぐらいの塀が…

いよいよ明日で満65歳か

押しも押されもしない年寄り。どこに出しても恥ずかしくない高齢者。れっきとしたジジイ。誰の目にも明らかな老いぼれ。 サウイフモノニ ワタシハナリタイ と、治五郎は早い時期から願ってきた。60歳の定年と共に〝完全隠居〟の身を選んだのにも、そういう背…