2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

月天心貧しき町を通りけり(蕪村)

うーん、さすがは与謝蕪村だ。芭蕉でも一茶でもなく彼でなければ詠めない句だ。(な~んてね。実は、いま確かめるまで蕪村の作かどうか自信がなかったくせに) 雲一つない夜空の真上に月=写真=が出ている。その光の下、黒っぽく横たわっている貧乏くさい集…

年寄りは聞こえないふりをする、という俗説の真偽

それは、一概に「真」とも「偽」とも言えないのではないでしょうか。 治五郎が、ここ1~2年で自覚し始めた変化の一つに「耳が少し遠くなってきたのではないか」という問題がある。面と向かっての会話に支障はないが、いつの間にかテレビの音量を大きくして…

治五郎親方の大相撲初場所総評

「そのニコラスとかいう刑事は、優秀な捜査員なのか」 「いや、警察官じゃありませんよ。ニコラス・ケイジ=写真=という、アメリカの映画俳優です」 「なんで今、日本で話題になってるんだ」 「大相撲の初場所で優勝したんです」 「そうか・・・えっ?」 こ…

「街の灯」に学んだこと(その2)

「街の灯」に、困った酔っ払いが登場する=写真の中央=。大富豪なのだが夫婦関係か何かの悩みがあって泥酔状態で入水自殺を試み、通りかかったチャップリン=写真の左端=に助けられる。意気投合して自宅(豪邸)に招き入れ、大歓待する。 ところが、翌朝に…

「街の灯」に学んだこと(その1)

「チャップリンの『街の灯(ひ)』は、治五郎が最も好きな映画の一つである」 自分で言っといてナンだが、この文章がワシは気に入らない。腹が立つ。なぜか? 「最も~」と「~の一つ」との間に許しがたい二律背反性が認められるからである。明らかに欧米文…

しげぼうは牡蛎じいさん

しかし味のある風貌になってきたなあ、畠山重篤さん(74)=写真=。良く言えば自然哲学の思想家、悪く言えばイスラム原理主義の指導者みたいだ(実体は前者)。 カキ養殖の漁師で著書も多く、「森は海の恋人」という名文句が今は一部の教科書にも載っている…

熊野古道とオオカミの関係? 知らんな

熊野にも昔はニホンオオカミが棲息していたのは知っているが、明治時代に絶滅したはずだが・・・あっ、思い出した。昨夜、「続きは明日」と予告した件だ。 初めてモンゴルへ行った翌1992年の夏、夕刊「旅」の取材で熊野三山(和歌山県)へ行った。当時はまだ…

本当に寒かった話

©不詳 「首都圏に今冬一番の寒波襲来か」なんてニュースを聞くと、主たる先祖が北方民族らしい治五郎は正直なところ心が躍る。「さあ、来るなら来てみろ」という気になる。 しかしワシの体験なんか大したことはないようで、郷里の青森県内でマイナス10度以下…

湯沢の仇を江戸で討つ

ちょうど1か月前だ、「旅行読売」の取材で新潟・湯沢温泉=写真左=へ行ったのは。人妻を同伴したが、彼女はフリーカメラマンで仕事なんだから道徳的に問題ナッシングだという話は、もう書いた。文春砲よ、来るなら来い! (来ないって) 革靴やスニーカー…

読者を増やしたくないブロガーもいる

「花シリーズには飽きた言うとんのや! もうやめたんとちゃうか? オンドリャー」「まあまあ。ただのカット写真ですやんか」 〽春は菜の花=写真左= 秋には桔梗=写真中= そしてあたしは いつも夜咲く アザミ=写真右= 若かりし治五郎が、若かりし中島み…

アジサイ・マンジュシャゲ

「おい、まだ続くんかい! 『花』シリーズは」「もう今回で終わりますさかい、堪忍しとくれやす」 アジサイ=写真左=は好きだ。鬱陶しい梅雨の季節に、これほど心を晴らしてくれる花はない。ただし、桜とは対照的に〝散り際〟が良くない。6月の盛りを過ぎ…

ヒマワリ・チューリップ・スミレ・ドクダミ

昨日の続きです。計8種類の花が登場したが、これを治五郎の好きな順ではなく、好きとは言えない順に並べたらどうなるかーー。 ①ラン②ヒマワリ③チューリップ④サクラ⑤レンゲ⑥タンポポ⑦スミレ⑧ドクダミ となる。「みんな違って、みんないい」と言ってるくせに…

ラン・サクラ・レンゲ・タンポポ

「おい治五郎、今は真冬やで。そのくらいは認知できとるんやろな」 「分かってまんがな。けど、なんや今日は花の話がしとうなりましてん」 「花がどうしたちゅうねん。治五郎の脳にだけ春が来たんとちゃうか?」 ワシは「みんな違って、みんないい」という普…

クイズはボケ防止に役立つか

結論から申します。役には立ちません。 電車に乗ると、スマホやゲーム機ではなく、クロスワードパズル専門の雑誌に熱中している人を見かけることがある。推定50歳以上の人が多いようだ。ボールペンを片手に、必死で問題を解く姿には何か鬼気迫るものが感じら…

最初の海外出張先が果たした役割

治五郎は、6~10歳の3年半をヨーロッパで過ごしたが、その後は30代半ばまで海外に行く機会がなかった。新聞社の社会部での労働環境は厳しかったもののワシの場合、まあ、いわば〝働かない奴隷〟という感じだったと思えば間違いない。 1989年の2月初旬、い…

それで「2646」問題はどうなったのか

う~ん、あまり語りたくないなあ。予備校の出席番号が2646(二浪しろ)だった現実に心の傷を受けつつも、4人部屋の寮=写真=に入って勉強生活に入った。 他の3人は、U:福井県出身、東大志望。O:茨城県出身、一橋大志望(ダメなら外語大)。F:福…

スー女の造詣、畏るべし

大相撲初場所の初日。15日間、全取組を無料で生中継するという「Abema TV」を、朝から見た。案の定、CMが多いが「一日中タダ」となれば不満は言えない。 観客もまばらな序の口からの取組を解説付きで見られるというのは画期的である。 スー女(相撲女子)…

予備校から「二浪」を勧められたらどうする

大学入試センター試験=写真=なんちゅうものを、もちろん治五郎の世代は経験しとらん。が、受験シーズンになると思い出されることがある。 1971年(昭和46年かな)の春、予想していた通り大学受験に失敗した。当時は国立大に「一期校」と「二期校」があって…

女湯で溺れかけた経験

C級のニュースというのが毎日、ネット上を駆け巡っている。キチンと活字で印刷されたものを読み直したいと思っても、C級となればなかなか難しい。大概、翌日の新聞にはもう載っていないのだ。 ヨミウリ・オンラインに次のような記事(©読売新聞)が出てい…

卵の大きさに関する考察

中華丼=写真左=に付き物の、ウズラの卵がありますね。あれが少し苦手である。味は別にまずくないし、残すのはもったいないから食べるんだけれども、心のどこかに「私は今、何か正しくないことをしているのではないか」という疑念がよぎるのだ。 この深層心…

文豪と変態の境目

アンソロジー(詞華集)というものがある。いろんな作家のものの寄せ集めだから全部に期待して読むわけではないのだが、中には「へえ、あの人がこんな作品を書いてたかねえ」と蒙を啓かれることがある。そこから、あまり読んだことのない作家に関心が湧いて…

「濃いめ」は変だと思う同志はいないか

どちらかといえば長いことを「長め」と言い、量が十分とは言えない状態を「少なめ」と言う。ここまで問題ありませんね? 日本語文法を難しく論じる気はないのだが、これらは「形容詞の語幹+め」で成り立っている。「低め」や「薄め」も同様で、「め」は漢字…

晴れと褻(け)

「あのね、似合ってませんよ」と口に出して言うほど、治五郎は人が悪くない。一生に一度の成人式=写真=に、親御さんが無理な出費をするのは分かる。 その慣習によって儲けてきた「はれのひ」とかいう会社が、夜逃げをしたんだかなんだか、世間を騒がせてい…

〝めそめそ歌〟の消滅

【めそめそ】〔女性や子供などが〕何かというとすぐに涙を見せて、沈んだ調子で泣き続ける様子。「人に隠れてーする/ーする子はきらいだ」 流行歌に関して、治五郎は「めそめそ」系が嫌いではない(むしろ大好き)。「語釈の〔女性や子供〕は余計じゃない?…

「セクハラ」の定義が変わるんだろうか

<角界にまた“事件”が起きた。日本相撲協会は5日、立行司の式守伊之助(58=宮城野)が、10代の若手行司に対して冬巡業中の12月16日に沖縄・宜野湾市で泥酔し、数回キスして胸を1度触れる行為を行ったと発表した。>(日刊スポーツ) 相撲協会にとって「泣…

「先立つ不幸」と書く不孝

自殺する青少年が、親に宛てた遺書に「先立つ不幸をお許し下さい」と書くケースがある。治五郎の子が書いたものではないが、そんな文章を現に見たこともある。T田M子とかいう元国会議員みたいに「ち・が・う・だ・ろ~⁈」と叫びたくなった。 心を込めた大…

何に倚りかかっているのですか?

治五郎は今年の正月も、初詣=写真=には行かなかった。そろそろ罰が当たってもいい頃だと思うんだが、なかなか当たるものではない。 富岡八幡宮だけは少しアレだったようだが、ほかの神社仏閣は例年通り、ご利益を求める人々のお陰で賽銭収入というご利益に…

〝文症〟という奇病について

「治五郎はんは、ブログを1日も休みまへんな。失礼ながら質量ともに大した内容とは思えへんけど、毎日書くことにストレスを感じることはありまへんのか?」 「へえ、そこですねん。ストレスは、ま~ったく感じまへんのや」 これは「文症」とでも称すべき、…

新聞とマンション

©植田まさし 兵庫県だかで、住民同士の挨拶をやめようと取り決めたマンションがあるという。子供に「知らない人から挨拶されたら、逃げなさい」と教えている親たちの要望が通ったんだそうだ。恐ろしい時代になったものである。 治五郎のマンション(賃貸の1…

2018年の漢字(治五郎版)は「腺」か?

なんだか覚えにくい名前の映画監督だったな。トルナラトッテミーロだっけ? いや、そこまで変わった人名ではない。そうそう、トルナトーレだ。 イタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988年)=写真=をBSで見た。もう何度も見て「新シネパラ」と…