あやなす人間模様の不可思議

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ギタリストで子守唄研究家の畏友・原荘介さん(77)=写真=に呼ばれて、早稲田鶴巻町の出版社・藤原書店へ。自伝的交友録「男のララバイ」の巻末に、治五郎が8年前に書いた新聞記事も収録された関係でミニ記念パーティーに顔を出したのだ。

藤原書店は社会科学・人文科学系の「硬派」で知られる出版社で、こういう読みやすい本を出すのは極めて珍しい。ワシは藤原良雄社長(68)とも旧知の仲だが、原さんと藤原さんが親しくなったのは、ワシとは関係ナッシング。

「男のララバイ」に登場する原さんの人脈を見ると、ワシが取材で知り合って意気投合した人物が多いことに改めて驚かされる。作家・川内康範、俳優・土屋嘉男、詩人・松永伍一・・・いずれも知り合った当時、原さんの敬愛する先輩だとは夢にも思わなかった。「縁」を通り越して気持ち悪いくらいだ。類は友を呼ぶ、ちゅうことなのか。

昨夜の会では森繁久彌の息子とか、今では歴史上の偉人ともいうべき後藤新平(1857~1929)の孫娘(ひ孫ではなく孫だよ)とか十数人が集まった。どれもタダモノではないことが風貌からしてヒシヒシと伝わってくる。

一人ずつ自己紹介したのだが結局、誰がどういう人なのかは把握しきれなかった。魑魅魍魎、百鬼夜行などと言えば非礼に当たるから言わないけれども(言ってるも同然)、まあ「平均年齢が高めの梁山泊」とでも言っておこう。頭がクラクラしてきた。

出版と、著者の喜寿を記念するリサイタル(ゲストは、ギターの愛弟子・加藤登紀子ほか)が今月30日(木)の夜、吉祥寺の武蔵野公会堂で開かれる。原さんがチケット(当日券5000円、前売券4500円)をタダで2枚くれた。

主催者側にとって、もう「マスコミ関係者」ではないワシには何の「利用価値」もないのになあ。もらったばかりのサイン本を帰途、都電荒川線の中で開きながら「ウッ」と嗚咽しそうになった。(最近は「腺」関係が緩んでるからな。危ねえ危ねえ)